第13話 「日本海海戦」 前編 (ロシア側) |
今度はロシア側です。
「スワロフ」 艦上シーンは、既に出てきましたマルタでのロシア艦セットが中心となります。 このセット、戦闘シーンが進むにつれて段々と壊れた姿となり、そして次々と炎上するシーンとなり、最期は完全に燃やされてしまいました (^_^;
それにしても、ロジェストウィンスキー提督役のアレクサンドル・チューチン氏はなかなか味のある演技ですね。
( 左端はロシア側考証担当のセルゲイ・チェルナフスキー氏で、私のカウンターパート )
その他、「三笠」 と 「スワロフ」 の艦上シーン以外での映像は、次のロケなどで撮られたものが組み合わされています。 これらを見ますと、通常の映画やテレビ・ドラマとことなり、長期間にわたるロケの中で様々なシーンが撮影されており、それらが如何に緻密に切り分けられ、かつ巧みに組み合わされて編集されているかが判ります。
○ マルタロケでのシャロータンクと福井丸セット 炎上する 「オスラビア」 の甲板から転げ落ちるロシア乗員のシーンは福井丸セットで、そして沈没する同艦から脱出した乗員が海面を泳ぐシーンはシャロータンク内で。
○ 川口ロケでの巡洋艦セット :
1.日本海海戦2日目の朝、砲撃を受ける 「ニコライ一世」 の甲板シーン
2.ネボガトフ降伏後、真之が 「ニコライ一世」 の甲板に上がるシーン
○ 東宝スタジオ・ロケ 通路セット :
1.「三笠」 の艦内被弾シーン
2.27日昼戦終了後の負傷者艦内運搬シーン
〇 士官公室セット :
1.27日昼戦終了後東郷が戦傷者を見舞うシーン
2.28日降伏した 「ニコライ一世」 の艦内で真之が戦闘治療所を通りかかるシーン
〇 長官公室セット : 「ニコライ一世」 長官公室で真之がネボガトフ提督との降伏交渉シーン
○ 舞鶴ロケでの内火艇セット : 駆逐艦に見立てた内火艇 (駆逐艦のロケセットが無いので) で真之が降伏した露艦隊に向かうシーンとネボガトフを連れて三笠に戻るシーン
○ 緑山スタジオ・ロケ : 27日の海戦勝利の報を受ける海軍省のシーン ( 因みに、伊東軍令部長に参謀飾緒が無いのはご愛敬で (^_^; )
私などからすると、これだけ時期が離れたあちこちのロケの中から、あの時のカットとこの場面とがよく繋がるもの、そしてスタッフがそれぞれのロケでのカットを良く覚えているものと感心させられます。
そしてやはり忘れてはならないのは、この海戦場面を迫力のあるものにしたのはVFXチームさんの腕と努力でしょう。 すばらしい映像ですね。 監督以下、演出、美術、照明、音声、衣装・メイク、特効、VFXの皆さん、そして出演の皆さん全てが力を合わせた成果ですね、流石です (^_^)
最終更新 : 02/Jul/2017