第8話 『日露開戦』 前編 |
第8話 『日露開戦』 の前半 (再放送の第15回) は、今回も真之の出番は沢山ありますが、海軍関係としては少ないと言えます。
初めの方で真之が季子 (石原さとみさん) と再会し、自転車を通じて意気投合、遂に二人が結婚するに至るシーンが続きます。 もちろん、こういう場面のロケには私はお呼びいただいておりませんが ・・・・
一連のシーンの中で撮影時期が異なるカットが組み合わされて編集されておりますので、真之の参謀飾緒を吊る位置が次々と変わってしまう結果となっております。 まあこれは ・・・・ (^_^;
因みに、結婚式での真之の正装 (大礼装) ですが、NHKさんの 『坂の上の雲』 のドラマ製作上は基本的にこの正装は作らない方針で、当初は明治天皇とロシアにおける伊東博文以外は予定されていませんでした。
しかしながら、やはり主役の一人である真之のこの場面はこれでないと、という監督の強い要望があって実現したものです。
( NHKさんの広報写真より )
ところが、現在の日本では既にこの金糸刺繍のものを作れるところがありませんで、確かパキスタンのメーカーに特別注文となったと聞いています。 しかも真之役の本木さん用に採寸した特製であることはもちろんです。 お値段は普通の注文服とは2桁ほど違ったとか (^_^;
この後は好古や乃木などの陸軍関係や明石の対露工作の場面が続きますが ・・・・ 中盤で海軍大臣の山本権兵衛 (石坂浩二氏) が舞鶴鎮守府長官の東郷のもとを訪れるシーンがあります。 これは平成21年6月14〜22日の舞鶴〜江田島〜呉の一連ロケでのもので、舞鶴は14〜18日でした。
山本が長官公邸へ人力車で向かう場面は、舞鶴に残る旧海軍の赤煉瓦倉庫地区 (現舞鶴赤レンガパーク) です。
続いて長官公邸へ出向く場面は、元舞鶴鎮守府長官公邸 (現海上自衛隊舞鶴地方総監部会議所) です。 ここも監督の佐藤幹夫さんがその雰囲気を気に入られて、鎮守府庁舎ではなく長官公邸の設定でとの強い要望によりロケに使うことに。
しかしながら、この時の撮影ではこの元長官公邸の室内で山本と副官とのやりとりの場面もあったのですが、残念ながら編集段階で放送時間に押さえる都合で全てカットされてしまいました (^_^;
そして山本が長官艇に乗って釣り船で鯛釣りに興じる東郷に合流する場面は東舞鶴湾内で。
ちなみに、ここのシーンで出てくる長官艇は、古い漁船を購入してドラマ用に上部構造物などを多少それらしく改造したものですが、この後も他の色々な場面で使われることになりますので、十分元は取ったかと (^_^)
この船、全ての撮影終了後は加賀の日本元気劇場さんの三笠セット脇に飾られていましたので、ご覧になられた方も多いと思います。 ただ、現在では同劇場は休園閉鎖になっておりますので、三笠セット共に放置状態になっているようです。
この第8話での一連のシーンは、海軍大臣の山本が東郷をお忍びで訪問するなどは史実に無いことですし、司馬氏の原作中にもないことですが、山本が東郷を常備艦隊司令長官に据える考えであることを端的に表現するために、今回のドラマで設定された演出上のフィクションであることは申し上げるまでもありません。
もちろん内火艇の甲板室上に海軍将校が腰掛けて琵琶を弾くなどは、旧海軍の常識としてあり得ないことですし ・・・・ それはそこ “ドラマですから” (^_^;
余談ですが、本シーンの撮影中に訓練で東舞鶴港を出入りする 「みょうこう」 がロケ隊に気がついたのか、特大の自衛艦旗をマストのヤードに掲げてくれました。 粋な計らいに感謝 (^_^)
続いて第8話(再放送の第15回)の最後は、海軍省で山本が日高壮之丞 (中尾彬氏) に常備艦隊司令長官交代を告げるシーンで、これは平成20年12月18〜19日の横浜・緑山スタジオでのもの。
この緑山スタジオ・ロケは前にもお話ししましたが、残念なことにこの時の写真が全てどこかへ行ってしまっておりまして ・・・・ m(_ _)m
最終更新 : 02/Jul/2017