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USSBS 『 The Campaigns of the Pacific War 』 ( 1946 ) |
本史料は、太平洋戦争終結の翌年、1946年に米国のUSSBS (United States Strategic Bombing Survey、米国戦略爆撃調査団) のNAD (Naval Analysis Division) が作成した報告書 「The Campaigns of the Pacific War」 の全文です。 内容は、NADが日米の関係者への調査及び収集した両国の関係資料に基づき、それらを付き合わせて太平洋戦争における日米の海戦の作戦及び戦闘について分析した結果です。 終戦直後の慌ただしい中でのものであり、取り急ぎの基礎資料としての感は否めず、米側においても今日では直接これを引用する文献などはほとんどありませんが、始めて両国の資料を付き合わせて太平洋において生起した海戦について作戦及び戦闘を分析したものとしては、現在でも重要な古典であり、その研究の出発点であることには変わりはありません。 太平洋戦争史については、米海軍からは正式な戦史が刊行されなかったこともあり、米国側からするものは今日に至るも 「モリソン戦史」 として知られる Samuel Eliot Morison の 「History of United States Naval Operations in World War II」 が有名ですが、これがどちらかといえば戦勝国側の “勝った勝った” 的な色彩が強いものであるのに比べ、本史料はあくまでも経過と結果を客観的かつ冷静に淡々と纏めたものであり、その意味では今日においても大きな価値があると言えます。 むしろ、如何にUSSBSが組織的におこなった調査の結果であるとはいえ、この様な時期によくここまで纏められたと感歎させられる次第です。 現在に至るも作戦・戦闘史としてここまで系統的に網羅し分析した出版物は皆無と言って良く、その意味でも太平洋海戦史研究のための必須の基礎資料の一つであり、極めて貴重なものであるといえます。 管理人の都合により遅れ遅れとなっておりました当サイトご来訪15万名及び16万名の大台達成感謝記念として、本史料の全頁を1つのPDFファイルで公開 いたします。 ただし、約33.9Mバイトあります のでダウンロードの際にはご注意ください。 なお、印刷は可能ですが、PDFファイルは加工不可の設定としておりますので、他の方への配布、ご紹介される場合はこのファイルのままでお願いいたします。 なお、本史料は今日では海外の幾つかのサイトでも公開しているところがありますので、ここでのものも含め、皆さんのご都合のよろしいものを選択されるとよろしいかと存じます。 もちろん、付図・付表も含めて、これだけの高解像度で公開しているのは本サイトが一番であると自負しております。 余談ですが、本史料は 「Beneral Books」 というところから復刻版が出ておりますが、ここの出版社の復刻版は基本的にOCRをかけたテキストもので、かつそのOCRの読み取り・変換ミスは訳の判らない文字記号の羅列のまま全く修正されておらず、加えて図表は全て省略されているのが普通です。 (私も何冊か別のものをアマゾンで注文しましたが、後の祭りでした。) 当該史料本がどのような印刷・製本かは判りませんが、もしご購入される場合には注意が必要です。 |
『 The Campaigns of the Pacific War 』 |
(33.9Mバイト) |
最終更新 : 31/Oct/2010