解説 : 「一般計画要領書」 について (その5)


(注) : 以下は HN 「閑居不善庵」 氏からご教示いただいた内容に基づき管理人が纏めたもので、その文責は管理人にあります。



 クロスチェック



既に公開している造工史料 (以下 「S版」 と言う) と、別のところで保管されている同史料 (以下 「K版」 と言う) とを比較チェックした結果、次の様に考えられます。



(1) 「戦後書写版」 について


旧海軍の元資料が不鮮明であるためと考えられますが、既に公開しているとおりこれを戦後になって新たに書き写した 「戦後書写版」 がS版では原本と一緒に保管されていますが、K版には原本しかありません。

また造工史料が配布された当時、毎回の史料送付の都度その内訳が一緒に添付されていますが、この内訳にはこの 「戦後書写版」 については記載されておりません。

以上のことを考えると、この 「戦後書写版」 はS版側が原本の配布を受けた後で独自に作成したものと考えられます。



また、S版の 「原本」 で数値が総て空欄となっている頁は、「戦後書写版」 では頁そのものがありませんが、数値が空欄となっているところはS版及びK版とも同じですので、「戦後書写版」 が作成された時に当該頁は削除されたものと考えられます。



(2) 「特務艦」


39頁目については、S版及びK版ともに欠落しており、造工史料配布時から無かったと考えられます。 ただし、元々の造工史料にも無かったのか、印刷時に欠落したのかは判りません。



(3) 「敷設艦」


S版及びK版共に 「原本」 の重量比較表に 「初鷹」 と 「若鷹」 がありますが、復元性能表にはこの2隻がありません。 したがって、造工史料配布時から無かったと考えられます。 

しかしながら、後から作成された 「戦後書写版」 の復元性能表にはこの2隻が含まれています。 このことから当該2頁については造工史料配布時に何等かの理由によるミスで欠落となったものであり、元々の造工史料にはあったものと考えられます。




 「戦後書写版」 の訂正について



「戦後書写版」 の 「特務艇」 の項には、本来特務艇でない艦艇のものが含まれています。 特に、本来の艦種の項に重量比較表はあるもののの復元性能表がない艦があり、当該頁が特務艇の項に含まれているものがあります。

これらについては、この「戦後書写版」が作成されたときに、何等かの理由で誤って 「特務艇」 の項に挿入されてそのままになったものと考えられます。

したがって、これらの頁は本来あるべき艦種の項へ移すのが宜しいでしょう。 ただし、頁番号は 「特務艇」 として一連のものがふられていますので、本来の艦種に移した場合には相互にその頁番号表記が合わなくなりますが、これはやむを得ないでしょう。







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最終更新 : 24/Jul/2011