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『防空兵装略図』 (横砲校戦術科 昭和18年)



ここで公開しますのは、昭和18年8月に横須賀海軍砲術学校の戦術科が高等科学生等の教務用に作成したものです。 僅か8頁のものですが、重巡、軽巡及び空母について作成当時の状況を網羅しています。

この史料は昔田村俊夫氏が 『帝国海軍 真実の艦艇史2』 (学研歴史群像、平成17年) を執筆するに当たりその参考として私の所持分を提供したものですが、今回はこれにもう少しゴミ取りをしたものです。 ただし、原紙のB4版を折りたたんだ折り目の部分が変色しており、モノクロでスキャンした時にこれが黒く写り、図と重なったところは修正できないところがあります。

内容的には各艦の調査時期が明示されていないなどの問題もありますが、元々が技術資料としてではなく、用兵者たる高等科学生等の対空戦についての教務の中での参考資料の一つであることを考えれば致し方ない点もあるでしょう。

とは言っても、当時の実態を示すものであることには変わりはありませんので、当サイトで公開する価値は十分にあるものと考えます。

太平洋戦争中の機銃などの増備状況については呉、横須賀及び佐世保の各海軍工廠が調査して纏めた 『各艦機銃電探哨信儀等現状調査票』(注) が有名ですが、本史料の様なものも断片的ではあるが旧海軍史料の中に残されているものがいくつかあり、これらについてもいずれ機会をみて纏めて公表したいと考えています。

PDF形式にてその全頁を公開 いたしますが、図が主体になりますのでサイト・ロゴを入れ、また印刷及び加工は付加の設定としております。  もし研究者の方で印刷可能バージョンなどのご希望がございましたら掲示板又はメールなどでお聞かせ下されば考慮いたします。

勿論、公開いたしますファイルは、このままの形でしたら再配布などはご自由になされて結構です。



(注) : 『各艦機銃電探探信儀等現状調査票』 は最近になって3工廠作成分を取りまとめて 故福井静夫著として復刻 されています。 確かに呉工廠分は福井氏が (命により業務として) 取りまとめたのかもしれませんが、3工廠分とも各工廠が調査し編纂した公文書であり、福井氏の著作とするのは誤り であることは明らかです。 実際、呉工廠作成分でさえ表紙には他の部員達と一緒に閲覧済みを表す氏の印が押されているだけです。 故福井氏のものにはこういうことが他にもあり (『海軍造船技術概要』、『終戦時の日本海軍艦艇』 など)、要注意です。



『 防空兵装略図 』
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 最終更新 : 23/Jul/2017