『連合艦隊戦策　第１巻 戦闘編』 （昭和１８年）　（日英版）

ここで公開しますのは、昭和１８年１２月５日付け発簡の機密連合艦隊法令第８１号別冊の 『連合艦隊戦策　第１巻 戦闘編』 です。

本文書はレイテ沖開戦後にマニラ湾に避退していた重巡 「那智」 が昭和１９年１１月１５日米軍機の攻撃により沈没した際に艦内に保管されていたものをマニラ奪還後に米軍が回収したもので、昭和３６年に日本に返還された 「那智史料」 と呼ばれるものの中の一つです。

私が所持しておりますのは原本からの複製版をコピーしたものですが、米軍回収時に原本が汚損・毀損したものか、大変に不明瞭かつ一部は欠けているところがあります。　また複製時の複写機も今日とは異なる世代の古いものですので、とても綺麗とは言い難いものがあります。

公開に当たりディジタル化した際可能な限りのゴミ取りは致しましたが、それでも原紙がその様な状況のものですので、大変読みづらく、かつ私も判読できない部分がかなりありますことをご承知置き下さい。

返還された原本及びそれから直接複製されたと考えられるものが防衛研究所図書館 （現在の同所戦史研究センター史料室） に保管されていますが、私自身はこれらは未見です。　もしかするとここで公開するものよりは良い状態かもしれませんので、興味がある方は一度そちらに当たられることをお薦めします。

終戦時に日本側の多くのものが失われた状況としては、この 「那智史料」 は大変に貴重なもので、第１級の史料と言えるでしょう。

ＰＤＦ形式にてその全頁を公開 いたしますが、まだアジ歴などのネット上でも公開されていないようですので、十分にお楽しみいただければと思います。

ただし、ご存じのとおりのネット事情により、大変残念ながら印刷及び加工については不可の設定としており、また各頁の上下にロゴを入れています。　　もし研究者の方で印刷可能バージョンなどのご希望がございましたら掲示板又はメールなどでお聞かせ下されば考慮いたします。

勿論、公開いたしますファイルは、このままの形でしたら再配布などはご自由になされて結構です。

（平成２９年２月１９日追加）

那智から揚収した 「那智史料」 はその揚収直後に米海軍は主要な文書を英訳しましたが、当該連合艦隊戦策もその一つです。　折角の機会ですのでこれも追加公開いたします。

残念ながら私の手元にありますコピーは英訳版のどの段階のものからの複製であるかは不明で、しかもこれも大変に不鮮明なものです。

幸いにして原本と異なり英数字だけですので全て何とか判読が可能ですので、元の日本語と対比させながらお読みいただくと、原本の欠落あるいは判読不明部分も補完できると思います。

なおこの 「那智史料」 の英訳版一式も防衛研究所図書館 （現在の同所戦史研究センター史料室） に保管されているようですが、こちらも私自身は未見です。　もしかするとここで公開するものよりは良い状態かもしれませんので、興味がある方は原本共々一度そちらに当たられることをお薦めします。