『魚　雷』 （大井上博　昭和１７年）

ここで公開しますのは、昭和１７年に工学博士の大井上博氏 （1901-1966） が海軍省の検閲を受けて山海堂出版部より出版したものです。

もちろん海軍省の検閲を受けて出版したといっても、元々は戦時における軍事普及施策の一つとして海軍省主導の下に出された一連のものの中であることは申し上げるまでもありません。

このためもあって、著者の序にもあるとおり軍事秘密レベルの高いものであるだけに、昭和１７年としても内容的には少々古いもので、しかも一般に公開された資料に基づいております。

しかしながら、魚雷の基礎的事項について網羅され、かつ流石は工学博士の手になるものらしい足が地に着いた内容になっており、今日においてもこの方面の入門書として最適なものの一つと言えるでしょう。

昨今の軍事知識についてのこの種の出版物などは、ビジュアル的には見栄えは良いものの、具体的な実地のことはほとんど判らない人によって書かれたものが氾濫しておりますので、それだけに今回この史料を公開する価値は十分にあるものと考えます。

ＰＤＦ形式にてその全頁を公開 いたしますが、国立国会図書館のサイト （以前の近代ディジタルライブラリーを統合） を始めネット上で公開されたものはないと思いますので、十分にお楽しみいただきたいと思います。

ただし、ご存じのとおりのネット事情により、大変残念ながら印刷及び加工については不可の設定としており、また各頁の上下にロゴを入れています。　　もし研究者の方で印刷可能バージョンなどのご希望がございましたら掲示板又はメールなどでお聞かせ下されば考慮いたします。

勿論、公開いたしますファイルは、このままの形でしたら再配布などはご自由になされて結構です。