『弾着観測参考書』　（海軍省教育局、昭和１５年）

ここで公開しますのは、昭和１５年に海軍省教育局が 「教育彙報 （砲） 第７号」 として出したものですが、元々は昭和１４年に当時海軍砲術学校の教官であった猪口敏平氏 （海軍中佐） が将校学生の教育用として纏めたもので、これを海軍部内全般への参考として改めてタイプ・印刷し直して配布したものです。

ご存じのとおり、猪口敏平氏は昭和１９年の捷号作戦においてシブヤン海で沈んだ戦艦 「武蔵」 の艦長として知られておりますが、知る人ぞ知る旧海軍における砲術の第一人者です。

この度、戦後７０年目にしてシブヤン海の深さ１０００ｍの海底に眠る 「武蔵」 が発見され、ＴＶやネットでその映像が話題になっておりますが、その艦長であるとともに、砲術家 （鉄砲屋） あった猪口氏の功績を顕彰するため、数ある著作の中の一つとして公開するものです。

なお、本来の海軍砲術学校版は原本の印刷があまり良くありませんので、ここでの公開は海軍省教育局版とさせていただきます。

旧海軍が作り上げた緻密な射法に基づく艦砲射撃は、ひとえに射撃指揮官たる砲術長の弾着観測の良否にかかっていると言っても過言ではなく、本史料は砲術畑をひたすら歩かれた猪口氏の、まさにその知識・経験のエキスであると言えるでしょう。

ＰＤＦ形式にてその全文を公開 いたしますが、ご存じのとおりのネット事情により、大変残念ながら印刷及び加工については不可の設定としており、また各頁の上下にロゴを入れています。

もし研究者の方で印刷可能バージョン、あるいは元々の砲術学校版などのご希望がございましたら、掲示板又はメールなどでお聞かせ下されば考慮いたします。　勿論、公開いたしますファイルは、このままの形でしたら再配布などはご自由になされて結構です。