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ご来訪21万名達成記念企画


『海軍戦術 全』 (山屋他人、明治35年?)


ここで公開しますのは、山屋他人 (海兵12期) が海軍大学校において講義したものを纏めたものですが、海軍戦術 について完全に旧海軍自身の手によって著述された最初のものと考えられます。


残念なことに発刊の日付が記されておりません。  しかしながら、山屋が海軍大学校の教官を務めたのは明治31年12月 から33年6月 (この間の32年9月に海軍中佐に進級) と、同34年9月から35年7月の2回ありますが、本著中に記されている 日露海軍の艦船名などからしても、この2回目の勤務中に書かれたものと考えられます。


本著は海軍戦術について現実的・実際的な視点で書かれた大変に優れたものであり、特に 「円戦術」 の考え方は、山屋の 後を継いだ秋山真之の戦術思想に大きな影響を与えたものと言えます。


しかしながら、日露戦争後は秋山真之の戦術論 (と名声) の陰に隠れてしまってあまり日の目を見ないのは残念なことです。  現在においては山屋他人についても、そしてその 「円戦術」 についてもほとんど知られていないと言えるでしょう。


とはいえ、その後の秋山真之の 「丁字戦法」 「乙字戦法」 の発想は、この山屋の 「円戦術」 を見るとよく判る ところであり、秋山真之を研究する上でも必須のものの一つです。 そして、艦艇の運動及び砲術について、当時の海戦における戦術要素を 理解する上で恰好の資料となっています。


もちろん、本史料は本来が艦船の実務経歴もそれなりにある海軍大尉クラスを対象とする内容のものですから、現在の 研究者の人達がこれを読みこなすには相当の知識と感覚が要求されることは間違いありません。


それを忘れて、論文書きなどでよく見られるように、元資料の一部の文言だけを好きなように取り上げて勝手な解釈を するようなことをすると、とんでもないことになりかねないことには注意が必要です。


PDF形式にてその全文を公開 いたしますが、本史料は一般刊行物でも、またネット上でも未だに その全貌が公開されたものはないと思いますので、十分にお楽しみいただきたいと思います。


ただし、ご存じのとおりのネット事情により、大変残念ながら印刷及び加工については不可の設定としており、また各頁にロゴの透かしを入れています。  もし研究者の方で印刷可能バージョンなどのご希望がございましたら掲示板又はメールなどでお聞かせ下されば考慮いたします。


勿論、公開いたしますファイルは、このままの形でしたら再配布などはご自由になされて結構です。




『海軍戦術 全』
(7.7Mバイト)






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 最終更新 : 18/Sep/2011