ここで公開します3種類の教範類は、旧海軍における陸戦について記述されたものです。 陸戦の教育訓練については、この3種類でセットとなるもので、これらを理解されれば大砲や戦車など特殊な装備に関する部分を除き、基本的なところのほぼ全てになります。
ご存じのとおり、旧海軍では明治の初期に英海軍に範をとって海兵隊を設けましたが、結局はこれを短期日で廃止し、以後は必要に応じて艦艇及び陸上部隊において臨時に陸戦隊を編成し、派出する方式を採りました。
このため、陸戦は職種に関わらず全ての海軍軍人にとって必須の知識・技倆となりました。 この陸戦教育を所掌していたのが海軍砲術学校です。
『陸戦操式』 は個人及び隊としての基本的な動作や操法を定めたものです。 本サイトで公開しますのは昭和5年版のものです。
『陸戦教範』 は、上記陸戦操式によって教育訓練を受けた陸戦隊をどの様に使うかを規定したものです。 つまり陸戦隊を用いた戦闘の方法・やり方と言ってよいでしょう。 これも同じく昭和5年版のものを公開します。
この 「操式」 と 「教範」 の関係は、例えば艦載砲の場合に 「艦砲操式」 が砲や砲台の操法が主体であり、「射撃教範」 がその砲や砲台を用いてどの様な射撃・戦闘を実施するのかが主体であることを考えていただければ判りやすいかと思います。
『陸戦参考書』 (公開準備中) は、上記2つの教範類に規定された内容を、どの様に解釈し、そして実際の教育現場において具体的にどの様に教えたらよいのかを、術科担当である海軍砲術学校において編纂した解説書です。 本サイトで公開しますのは、昭和6年に編纂され、昭和11年にこれを増補したものです。
それぞれ表紙を含め 目次、本文、付録、及び付表・付図の全頁を1つのPDFファイルで公開 いたします。
なお、旧海軍における陸戦関係教範類の変遷については、『陸戦参考書』 の最後にも記されておりますが、次のとおりとされております。 (左クリックにて、別ウィンドウで拡大表示します。)
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