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明治〜大正期の 『水交雑誌』 『水交社記事』


旧海軍士官の親睦・相互啓発・福利厚生を目的として明治9年に「水交社」が設立されましたが、この活動目的の一つである相互啓発の中心をなすのが会報誌の発行と図書の出版でした。


この内の図書の出版については、現在でも多くのものが残されていることはご存じのとおりです。


一方で、会報誌については、昭和期のものについては雑誌や刊行物で引用されたりして、それなりに掲載記事の内容が明らかにされています。


しかしながら、明治〜大正期のものについては一部研究者によって利用されているものの、現存するものが大規模図書館などに限定されていることもあり、なかなか一般には知られていないところです。


当初公開しますのは、水交会会報誌としての初期のもののうち、私がかつて調べたことのある 『水交雑誌』 (明治20年3月の第1号〜同年10月の第8号)、及び 『水交社記事』 の明治期 (明治23年6月の第1巻第1号〜明治45年6月の第9巻第2号) と 大正期 (大正元年9月の第10巻第1号〜大正15年12月の第14巻第4号) のものです。


『水交雑誌』 については、明治20年10月の第8号以後から、明治23年6月に 『水交社雑誌記事』 に改変されるまでの間のものについては、私が調べた図書館には現物が残されておらず不明です。


また、明治期の 『水交社記事』 のうち、明治24年6月の第11号については、表紙及び目次頁が欠落しておりますが、記事頁は全て残っておりました。 当該号の記事の1つはコピーをとって手元にあります。


もっとも問題なのは、日露戦争期の参考となるべき明治35年〜同38年の4年間分がありません。 図書館の目録では当該分2冊の合本があることになっているのですが、誰かが無断で持ち出したようで所在不明となってしまっています。 非常に残念なことであるとともに、この様な行為をする人物がいることに怒りを覚える次第です。


なお、当初は目次のみの公開ですが、砲術関係を中心にかなりの記事頁のコピーもとっております ので、手の空いた時に順次追加公開していきたいと思います。 もし興味がある記事がありましたら、お知らせいただければ考慮したします。



記事公開の第1弾 として、第127号 (明治34年5月) の 「海上距離測定機ニ関スル記事」 (秋山真之) を追加いたしました。 当該記事は印刷可能設定としています。 (2010.6.6)



ところで、なぜ本項で昭和期のものがないのかということですが、


明治期の 『水交社記事』 では本来の相互啓発の主旨に沿ってかなり専門的な内容のものが掲載されておりました。 例えば付録として 『艦砲射撃諸問題簡算法類集』 というものまで作られています。 しかし、日露戦争を切っ掛けとして、大正期に入りますと秘密保持の観点から術科関係を中心とした記事がだんだんと少なくなり、それと入れ替わるように一般的な話題のものや精神論的なものが増えてきます。 これは大正期の目次をご覧いただければお判りになると思います。


この傾向は昭和期になるとなお顕著で、したがいまして、昭和期のものについては私の研究目的上参考となるような記事がほとんどありませんでしたので、目次頁のコピーさえとることをしませんでした。 この点、ご了解・ご了承ください。



『水交雑誌』 目次 明治期 『水交社記事』 目次 大正期 『水交社記事』 目次
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掲 載 通 巻 号 記     事      名 著  者
第127号(明治34年5月)  海上距離測定機ニ関スル記事  秋山真之





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 最終更新 : 06/Jun/2010