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『 ジュットランド海戦における造船関係事項の研究 』
( 海軍造船大佐 藤本喜久雄 )


本史料は、海軍造船大佐 藤本喜久雄がものした名論文の一つです。 そして本史料の名前はよく知られているものの、その全容については今日まで明らかにされてこなかったものの一つと言えるのではないでしょうか。 もちろん、ネット上も含めて 全容が公開されるのは本邦初 となると思います。


ご覧いただけばお判りのように、藤本造船大佐によって、第1次大戦における最大の海戦であった大正5年(1916年)の「ジュトランド沖海戦」の戦闘の経過とその結果について、造船屋としての目でその実態が分析されています。


この藤本造船大佐の手になる英・独両海軍艦艇に関する情報が、日本海軍の艦艇設計に与えた影響は決して少なくないものと思料します。 特に、藤本造船大佐自身が、昭和2年に艦政本部第4部設計主任となってから昭和9年に「友鶴事件」によってその席を追われるまでは、正にその筆頭者として存在したからです。


ただ、本史料には執筆年月日がなく、また「海軍造船大佐」と記していることからすると、昭和2年以降のものということになります。 しかしながら、藤本造船大佐がこの史料に記した情報を収集したのは大正6年(1917年)〜大正9年(1920年)の英国駐在中と考えられますので、実際に本史料を纏めたのはもっと早い時期であるはずですが、何故この時期に、というのは不明です。


本史料は、「其の1」の主力艦の部と「其の2」の巡洋艦及び駆逐艦の部の2つで構成されていますが、その主体はもちろん前者にあることは言うまでもありません。 もちろん、海戦結果そのものを見る上では、後者も大変貴重なものであることはいうまでもありません。 ただし、記述が英海軍に重きが置かれているのは、その情報入手の状況を考えれば当然のことと言えるでしょう。


私がディジタル化した原本は幸いにして非常に保存状態が良く、判別出来ないほど劣化した頁は1枚もありません。 ただし、残念ながら 「其の2」の表紙は原本で欠落 しておりますので、 白黒反転版を作成する時に「其の1」の表紙と「其の2」の本文第1頁目の文字とを組み合わせて仮の表紙を作成し、本公開版に付けておりますことをお断りいたします。


また、「其の1」の183頁〜192頁の命中弾痕位置図につきましては、白黒反転しますと装甲部分がうまく出ませんので元のままとしております。 (本来なら、全頁が元の形態のままが良いのでしょうが、ファイルサイズが倍以上になりますので、この点はご容赦を。)


平成22年の年頭に当たり、当サイト開設4周年及びご来訪12万名達成の感謝記念として、本史料の全頁をPDFファイルで公開 いたします。 本史料を当サイトにて公開できますことは、管理人の大いなる喜びであり、また誇りとするところです。


ただし、其の1は 約16.1Mバイト、其の2は 約4.6Mバイト ありますのでダウンロードの際にはご注意ください。 なお、無断・不正流用防止のため、印刷・加工はできないようにセキュリティ設定をし、また各頁には透かしを入れてありますことを予めご承知ください。


なお、本史料と対をなす用兵者から見た分析については、黛治夫海軍大佐の手になる 『欧州大戦における砲戦の成果に鑑み将来戦に対する教訓』 がありますが、これはまだ著作権の問題をクリアーしておりませんので、それが解決次第別途本サイトで公開したいと思います。




『 其の1  主力艦の部 』
(16.1Mバイト)


『 其の2  巡洋艦及び駆逐艦の部 』
(4.6Mバイト)




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 最終更新 : 02/Jan/2010