史料展示室 HPトップ頁へ 史料展示室メニューへ



『 海軍戦術論 』 (明治32年 マカロフ海軍中将著 海軍省版)


本史料はロシア海軍のマカロフ(Stepan Osipovich Makarov)中将の手になる海軍戦術に関する古典的な名著の一つです。 マカロフ中将は一般的には海洋学者としても知られているようですが、その本領とするところは海軍戦術論であり、かつその実践者たる戦術家でもあります。 実際に、日露戦争の時に解任されたスタルク中将の後任として太平洋艦隊司令長官に就任した時、そして旅順港外で戦死した時には、彼我双方にとっての士気に大きな影響を及ぼしたことはご存じのとおりです。


ここで公開しますのは、明治32年に旧海軍海軍省によって翻訳され部内配布された、いわゆる初版もので、私がディジタル化した原本は、元々が海軍省海軍文庫に収められていたものです。


本著は、出版された直後から世界各国で広く読まれ、また日露戦争前の旧海軍の戦術思想にも決して少なくはない影響を与えたほどのものですが、今日ではその著名は知られているものの、戦史研究家などでもほとんど顧みられることはなく、ましてや一般の方々に読まれることはまずないものとなっているのは残念なことです。


しかしながら、日露戦争における旧海軍を研究するに当たって、特にその戦術については、本著は外すことは決してできないものの一つであり、ここでご紹介する価値は十二分にあるものと考えております。


(巻頭にあるマカロフ中将の略歴の頁は本来の海軍省版にはありませんで、後の水交版出版の際に付け加えられたもので、また使用した表紙も水交版のものですが、本著公開に当たり挿入・差し替えたものであることをご承知置き下さい。)


本著は国立国会図書館の蔵書にも含まれており、「近代ディジタル・ライブラリー」でも公開されていますが、こちらは明治37年に水交社の手によって再版されたもので、かつ同サイトは写真画像そのままのディジタル化で一般的に画面が大変汚いのと、操作性が悪いことはご承知のとおりです。 しかしながら、どうしても印刷したものが手元に欲しいという方は、こちらから分割ダウンロードされると宜しいかと思います。


ここでは全210頁を見開きにして1つのPDFファイルで公開 いたします。 ただし、約21Mバイトありますのでダウンロードの際にはご注意 ください。


なお、本公開史料はPDF版作成に当たり閲覧の便を考えて簡単なしおりを付けてありますのでご活用下さい。




マカロフ著 『 海軍戦術論 』
(20.9Mバイト)





史料展示室メニューへ 頁トップへ

 最終更新 : 20/Mar/2008