資料展示室 HPトップ頁へ 史料展示室メニューへ



『 50口径3インチ速射砲 』 スタディ・ガイド集



ここで公開しますのは、昭和48頃から海上自衛隊第1術科学校が幾度か改正を加えながら作成した幹部及び海曹士課程用のスタディ・ガイド (SG) 集です。

これらは昭和56年に同校における幹部中級射撃課程での50口径3インチ速射砲の名において教務において使用したもので、私が保管する原本には当時の私の書き込みが沢山あります (^_^)

ご承知のとおり、海上自衛隊における米国からの輸入及びそれをライセンス生産したものは、護衛艦などの主砲及副砲として長く使用されましたが、平成8年に機雷敷設艦 「そうや」 の退役をもって全艦艇から姿を消しました。

除籍艦に搭載されていたこの3インチ連装速射砲の1基が用途廃止となり、江田島の海上自衛隊第1術科学校の第1砲術講堂横に置かれて展示されていましたが、令和6年4月に第1砲術講堂が解体・撤去されることとなったことから、この3インチ連装速射砲も近々撤去されるものと思われますので、海上自衛隊からは名実ともに消え去ることになるでしょう。

また、現用の装備品以外には関心がない海上自衛隊においては、現在もこの50口径3インチ速射砲の正式な取扱説明書や当時のSGなどの資料が残されているのかどうかは判りませんが、例え残っていたとしても、これらが今後とも防衛省・海上自衛隊から公開されることはまずあり得ないと考えられます。

したがって、SGとはいえ、50口径3インチ速射砲についての公式の内容のものが公開されるのは初めてのことと思います。 ネットや出版物では色々言及されたものが出回っておりますが、それらと本資料と見比べていただくと色々面白い点があろうかと思います。

ご覧いただいてお判りのように、ここで公開しますSG集は 秘密文書の指定どころか、当時の 「取扱注意」 でも 「部内限り」 の文書でもなく、また内容的にも秘密事項は全く含まれておりません し、また現在の行政文書管理に関する法律・法令などに関わるものでもありません。

なお、ネットや出版物などではこの砲のライセンスを得て国産化したものを 「68式」 などとされておりますが、これは確かに防衛庁 (当時) の装備品としての制式採用名称ではありましたが、用兵者はその様な名称でこれを呼んだことはなく、本SG集でも記されているとおり現場では全て 「3インチ速射砲」 です。 もし 「68式の ・・・・」 と言われても、技術畑の者ならともかくとして、現場の自衛官達からはおそらく 「何それ?」 と返ってくるかと (^_^)

ここで公開するSGは全て昭和56年頃使われていたものとはいえ、当時でもまだ質の悪い藁半紙にガリ版印刷のものですので、私の保管するものでも大変に見難いく、かつ不鮮明なところがあり、また図などは簡単な手書きのものとなっております。 加えて経年変化により紙質そのものが赤茶けて劣化してしまっております。

このためディジタル化に当たり可能な限りゴミ取りをすることとしましたが、時間的にもこの程度が精一杯であり、大部分はディジタル化したままのものを 「暫定版」 とせざるを得なかったことをご了承ください。 また、私が受講中に加筆したものなどは削除 (特に秘密事項) しておりますことをご理解願います。

特に 「同期試験法及び調整法 」 については、元々があまり鮮明でない写真が多数入れられており、かつこれを質の悪い藁半紙に印刷されておりますため、グレーでディジタル化し、最初の20頁のみゴミ取りと整形をして残りはそのままでPDFにしておりますので、約36Mバイトの大きなファイルとなっております。

PDF形式にて各パートごとの全頁を1つのファイルにして公開 いたしまが、ご存じのとおりのネット事情により、一人歩き防止のため大変残念ながら印刷及び加工については不可の設定としており、また各頁にロゴ又は透かしを入れています。 もし研究者の方で印刷可能バージョンなどのご希望がございましたら掲示板又はメールなどでお聞かせ下されば考慮いたします。

勿論、公開いたしますファイルは、このままの形でしたら再配布などはご自由になされて結構です。




 3インチ速射砲 概説、砲架部機構、砲尾機構 (暫定版)
 3インチ速射砲 装填機機構、発砲装填管制機構 (暫定版)
 Mk35動力操縦装置 (暫定版)
 Mk35 Mod N 411&412 (暫定版)
 3インチ速射砲 付図 (S56.5.30)
 50口径3インチ速射砲装填機同期試験及び調整法手順書 (S56.4.27) (暫定版)
 3吋砲射表及び射表解説 (S29.11.10)
 3吋50口径砲射表 (水上射撃用)






史料展示室メニューへ 頁トップへ

 最終更新 : 24/Nov/2024