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『WESの概要』 (昭和50年 プログラム業務隊)



ここで公開しますのは、46DDG たるミサイル護衛艦 「たちかぜ」 に搭載したミサイル管制装置 WES (Weapon Entry System) の概要です。

昭和50年にプログラム業務隊 (PGC、当時) が関係員の教育用に作成したもので、システムを開発・デザインした米国RCA社が作成した各種ドキュメントを元に、WESの構成、機器等の連接、機器等の構造やオペレーション及びコンソール操作法などの概要を纏めたもの です。

本来ですと、このWESを含む46DDGのミサイル・システムに関するものは、海上自衛隊においては 「特定防衛秘密」 (通称 「特防」) に指定されて、機器及びその図書類及び取扱者には特別な管理がなされておりましたが、本資料は、ご覧いただいてお判りのように、プログラム業務隊における配布用の複製にも特防や 「指定前秘密」 などの指定はなされておりませんでした。

当然のことながら、秘密に関わる事項については一切記載されておりません。 例えば、WESにおいて 「目標脅威の評価」 を行うことが記載されていますが、その評価法の具体的なアルゴリズムはありませんし、またターター・ミサイルによる交戦可能性の計算アルゴリズムなどについてなどもありません。

とは言っても、本資料はその特防を扱う資格を有する者に対する教育用のものですので、これが海自部内の一般隊員に出たことはまず無いと思われます。

このWES (後にOYQ-1/2と改称) を搭載した46DDGたる 「たちかぜ」 及び48DDGの 「あさかぜ」 は、それぞれ平成19年及び翌20年に除籍されており、したがってこのWESを含むミサイル・システムを搭載する艦艇は既にありません。

従いまして、 両艦が装備したWESに関するものも既に全て破棄されてしまっておりますので、ここで公開することにいたします。

もちろん、これまでネットや出版物に出たことは無いもので、本邦初公開となるものであり、かつ海上自衛隊の体質からして、現在本資料がどこにどれだけ、どの様な形で残されているのかは判りません。 おそらく既に存在しないのではないかと危惧しております。

一般の方々向けとして PDF形式にて公開 することとし、独り歩き防止のためのロゴを入れ、また印刷・加工の設定は不可としております。

元サイズ版の詳細なものについてはご要求による “On demand ” 方式 とさせていただきますが、このままの形でしたら配布などはご自由になさっていただいて結構です。


(注) : 日本語版 Wikipedia などでは51DDGたる 「さわかぜ」 を46/48DDGの同型艦としておりますが、同艦のシステムは 「はたかぜ」 及び 「しまかぜ」 に準じたものであり、後に戦闘指揮システム (CDS) と呼ばれるようになるミサイル指揮システムは新たな OYQ−4 であり、WES (OYQ−1/2) とは全く別物です。




「WESの概要」 公開版
(1.9Mバイト)



「WESの概要」 元資料版
On demand !
 






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 最終更新 : 23/Jan/2022