対空戦・TMD

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護衛艦 『みねぐも』 のCICとアンテナ



私が幹部候補生学校を卒業して3尉に任官して遠洋練習航海を終え、最初の赴任先として乗り組んだのが、呉を母港とする第22護衛隊の護衛艦 「みねぐも」 で、当時 「みねぐも」 は艦令6年目、就役時からの DASH を搭載していた時です。

辞令は 「みねぐも乗組を命ずる」 というものですので、これを受けて艦長による個命 (個別命令) により通信士に配置指定されました。

ところが、8ヶ月経った夏に船務士が補職替えとなり、その交代者が航海マーク出身の部内幹部でした。 そこで艦長は彼が幹部任務課程に入校中は私の職務を 「船務士に指定する兼ねて通信士に指定する」、次いで彼が任務課程から戻ったときには 「通信士の兼務を解く」 と。

海自には 「幹部任務通信課程」 というのは無く、船務士及び通信士に配置された者は一緒に 「任務船務課程」 に入りますので、私も一応は対潜航空機管制なども習ったのですが、通信士に配置指定されて任務船務課程に入校した者は私も含め大体が勝手に 「任務車両」 課程学生となって平日の夕方は毎日江田島自動車学校通いでしたので、船務関係の教務は全く頭に残っていなかったのですが ・・・・ (^_^)


遠洋航海が終わった最初の年の初任幹部としては途中で本業の職務が換わるという極めて珍しい特異な人事となった訳ですが、このため1年間でCICと通信の両方を勉強させてもらいました。 その時の資料が今回公開する護衛艦 「みねぐも」 のCIC配置図とアンテナ装備図です。

本コーナーでの対空戦 (AAW) の話題に限ったものと言う訳ではありませんが、艦内一般配置図の公開と併せ、ご参考までにここでご紹介します。


「みねぐも」 が現役の間は、このCICには一般の人はもちろん、乗員でも関係者以外は許可無く立ち入ることができない区画です。 したがって、当然ながらこういうCICの配置図も公表されません。

とはいっても、「みねぐも」 は既に退役して久しいのですが、いまだに艦内一般配置図と同様にこの種のものが海上自衛隊から公表・公開されていませんし、また今後ともされることはまず無いと思われます。

艦の乗員教育用に就役時の完成図書にある正規の図面から手書きして作られた青焼きのもので、経年劣化もあって大変に見難いですが、その点はご容赦を。




戦後20年以上経って建造された護衛艦のCICの全体的な姿としては、第2次大戦時の米駆逐艦とそれほど進歩している訳ではない、いわゆる旧態依然たるものでしたので、前回お話しした 「たかつき」 に試験的に装備してみた 「NYYA-1」 のようなものでさえも、現場としては近代的なシステムに見えたのは無理からぬことかと。


そして 「みねぐも」 のアンテナ (空中線) 装備図です。

これも就役時の完成図書にある正規の図面からのもので、艦内における乗員教育用に作られた手書きのものの青焼きですから、上のCIC配置図と同じく経年劣化もあって大変に見難いものですが、これもご参考までにご紹介します。






個々のアンテナの説明は省略しますが、当時の通信機器及びレーダーなどのアンテナ装備はこういうものだったということで。







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最終更新 : 21/Jun/2020